裁判員裁判Q&A
刑事手続の流れは、どのようなものですか。
- 師子角 允彬
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事件がおこると警察が捜査を始めます。警察は証拠を集めて犯人と思われる人を見つけ、検察官に事件を送ります。検察官が起訴すべきだと考えて裁判所に裁判(公訴)を提起すると刑事裁判が始まります。
裁判所で行われる手続には、大きく2つの段階があります。まず、法廷で行われる裁判の準備をする手続(公判前整理手続)が行われ、準備が整ったところで、法廷での裁判(公判手続)が始まります。裁判員の皆さんが関わるのは、公判手続からです。
公判前整理手続では、裁判官・検察官・弁護人で、裁判のポイントや、法廷に提出する証拠を確認します。
公判手続は、5つの部分に分けられます。@冒頭手続、A証拠調べ、B弁論手続、C評議、D判決の言い渡しです。
@冒頭手続
冒頭手続では、先ず裁判を提起された人(被告人)の氏名・住所などを確認します。その後、検察官が起訴状(被告人が犯したと疑われている犯罪事実が書かれた書類)を読み上げます。そして、裁判長が被告人に言いたくないことは言わなくてもいいこと(黙秘権)を説明します。それから、被告人と弁護人が起訴状に書かれている事実について言い分を述べます。
A証拠調べ
証拠調べ手続では、先ず検察官が物語式で事件の筋書きを明らかにします。次に、弁護人が被告人の側から見た事件の筋書きを述べます。その後、裁判所は公判前整理手続で確認された裁判のポイントを法廷で明らかにします。裁判員の皆さんが、凶器などの物証を見たり、書類の内容や証人・被告人の話を聞いたりするのはそれからになります。
B弁論手続
弁論手続では、先ず検察官が裁判のポイントについて意見を述べます。意見の最後には被告人に科すべき刑を求めます。その後、被害者が裁判に参加しているときには、被害者が意見を述べます。次に、弁護人が裁判のポイントについて被告人の側からの意見を述べます。最後に、被告人が自分の言葉で裁判官・裁判員の皆さんに分かってほしいことをお話しします。
C評議
弁論手続の後、皆さんは裁判官と一緒に、裁判のポイントについてどう考えるかを評議して判決の内容を考えます。
D判決の言い渡し
判決の内容が決まると、法廷で被告人に判決が言い渡されます。