桜丘法律事務所

弁護士紹介

神山 啓史

本当は犯人ではないのに、犯人と間違われて有罪の判決を受け、刑務所に入れられている人がいます。
えん罪は、無実の人にとって最悪の人権侵害です。のみならず、真犯人が逃げているという意味で、被害者の人権も守られていません。

刑事裁判では、常識に従って判断してまちがいないと言えなければ、有罪にはできないというルールがあります。
裁判員裁判では、裁判員にこのルールが示されます。市民であればこそ、ルールどおりの裁判ができると思っています。
裁判員裁判に全力を尽くします。

所属

  • 第二東京弁護士会

現在取り組んでいる事件

東電OL事件再審無罪

1997年に東京都渋谷区円山町の木造アパートで、女性の死体が発見されました。警察は、アパートの隣のビルに住んでいた、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさんを出管法違反の容疑で逮捕します。ゴビンダさんは無実を訴えましたが、強盗殺人容疑で再逮捕され、起訴されてしまいました。
それでも、一審の東京地方裁判所は、無罪の判決を言い渡しました。しかし、検察官の控訴により、東京高等裁判所が無罪の判決を破棄し、無期懲役の判決を言い渡します。そして、最高裁判所でも、ゴビンダさんの上告は却下され、無期懲役の判決が確定してしまいました。現在、日弁連の支援を受けて、再審請求をしています。
平成24年6月7日、東京高等裁判所において、再審開始決定が下されました。同時にゴビンダさんに対する刑の執行停止も命じたため、ゴビンダさんは釈放され、ネパールに帰国することができました。同年11月7日、再審により無罪が確定しました。

関連サイト 無実のゴビンダさんを支える会
名張毒ぶどう酒事件再審請求中

1961年に三重県名張市の小さな村落で起きた事件です。公民館で行われた懇親会で振る舞われたぶどう酒に農薬が混入していたため、5人が死亡し、12人が中毒症状を起こしてしまいました。
ぶどう酒を購入し運搬していた3人の村人が疑われ、そのなかの一人である奥西さんが警察に逮捕されてしまいました。
奥西さんは身に覚えのない容疑を否認しましたが、長時間の取り調べや、警察に監視されるのに耐えられず、嘘の自白をしてしまいました。そしてそのために起訴されてしまったのです。
それでも一審の津地方裁判所では無罪判決が言い渡されました。しかし控訴審の名古屋高裁はこれを破棄して、死刑判決を言い渡します。そして最高裁判所が上告を棄却したため、死刑判決が確定していまいました。現在、日弁連の支援を受けて再審請求中です。
第七次再審請求を受けて、2005年に名古屋高裁は再審開始を決定しました。しかし検察官が異議申立てを行い、名古屋高裁がこれを取り消し、再審請求を棄却する決定をしました。これに対して、2010年4月、最高裁判所が棄却決定を取り消し、名古屋高裁に審理を差し戻しました。

関連サイト 名張毒ぶどう酒事件 奥西さんを守る東京の会
足利事件再審無罪

1990年に栃木県足利市内のパチンコ店から、当時4歳の女の子が行方不明になり、近くの河川敷で遺体となって発見された事件です。警察は、DNA鑑定を根拠に菅家さんを逮捕します。菅家さんは、身に覚えのない容疑を否認しましたが、耐えかねて犯行を認める自白調書に署名してしまいました。
裁判では無実を訴えましたが、第一審はDNA鑑定の信用性を認めて無期懲役の判決を言い渡します。控訴審、最高裁でも、菅家さんの訴えは退けられ、無期懲役の判決が確定してしまいました。しかし、2009年にDNA再鑑定の結果、菅谷さんは犯人でないことが明らかになり、再審開始が決定されました。
2010年3月、宇都宮地方裁判所は菅谷さんに無罪の判決を下し、裁判官が謝罪しました。

関連サイト 菅家さんを支える会・栃木